工務店がとるべき差別化戦略
そもそも差別化戦略とは
差別化とは、競合他社にはない、自社ならではの強みや特徴を活かし、市場で優位な立場を築くことです。唯一無二の商品ならともかく、多くの商品は他の同じような商品と競合しています。 モノや情報が溢れている現代で選ばれるためには、他社との違いを明確にし、商品に「選ばれる理由」を持たせることが大切です。
適切に差別化を行い付加価値を付けることで、選ばれやすくなるほか、下手に価格を下げずに家を売ることができるようになります。
なぜ差別化戦略が必要なのか
着工数の減少
まず一つ目の理由が、住宅の着工数減少です。野村総合研究所(NRI)の試算によると、新設住宅着工戸数は、2021年度の87万戸から、2030年度には70万戸、2030年度には49万戸へと減少していくと予想されています(※)。リフォーム市場も横ばいとされていることから、住宅業界全体で厳しい時代が来ることは明らかです。
着工数が減少していく業界で安定した経営を続けるためには、顧客からの発注が不可欠。Webサイトを使った宣伝を行ったり、商品力を強化するなど、他社との違いを明確にし、自社に発注するメリットを伝える「差別化」を行いましょう。
※参照元:株式会社株式会社野村総合研究所(https://www.nri.com/jp/news/newsrelease/lst/2022/cc/0609_1)
価格競争を避ける
購入してもらうために価格を下げてばかりでは、利益を確保できない上、企業としての体力を奪われてしまいます。利益率が低い状態で家を売り続けていても、経営を安定させるのは難しいでしょう。
他社との差別化を行うことで、価格競争から脱却することができます。 買い手にとって「高いお金を払ってでも買いたい」商品として位置づけられるため、競合他社と競うように価格を引き下げる必要がなくなるのです。価格に関係なく受注できるようになれば、安定した企業経営が行えるでしょう。
また、強固なブランディングができれば、「新規参入してもあの会社には勝てない」と他社を牽制することも可能です。
選ばれる工務店になる
現代の家づくりは、まずインターネット検索から始まります。インターネット上にはとにかく多くの情報があり、「どの工務店に発注すればいいかわからない」と頭を抱える顧客も少なくありません。実際、「○○市 工務店」と検索すると、非常に多くの工務店のサイトが見つかります。
「情報が多い分には良いのでは?」と思うかもしれませんが、多すぎる選択肢はかえって消費行動を抑えてしまいます。 そしてその中で選ばれるのは、自社の強みをアピールしている、他とは違うなと感じさせてくれる工務店。差別化戦略をしっかり行えば、こうした選択過多の状況から抜けだし、顧客から選ばれやすくなります。「同じような工務店」ではなく、唯一無二の「選ばれる工務店」を目指しましょう。
差別化戦略を行うための方法とは
競合他社を調査する
サービスを提供する企業の多くに、競合関係にある企業が存在します。差別化を行い、自社サービスがシェアを獲得・拡大するためには、競合他社の商品やサービスの強み・特徴などを調査して、自社との比較を行い、 どうすれば自社が優位に立てるかを研究することが大切です。
競合がどんな顧客層をターゲットにしているのか、あるいは会社としての経営理念・方針などもチェックしてみましょう。自社と比較しながら分析し、その差が大きいほど差別化することができます。
分析には「3C分析」を活用するのがおすすめ。3C分析は、企業の外部環境を分析するのに用いられるフレームワークで、活用することで、余計な情報を収集しすぎることなく、効率的に分析を行うことが可能です。
顧客のニーズを把握する
「差別化」というと競合他社ばかり意識してしまいますが、 どんなに他社との違いをアピールしても、ユーザーが「欲しい」と思えないようでは、受注に結びつきません。そのため、顧客ニーズをしっかりと把握し、応える形で事業やサービスを考えることが大切です。ニーズに合わない、独りよがりの戦略では、顧客に見向きもされない可能性があります。
顧客ニーズを把握する方法としては、モデルハウスや現場見学会を訪れてくれた人からのヒアリングやアンケート、インターネットやSNSの口コミなどさまざま。工務店としても、時代のトレンドに対して常にアンテナを張っておくことが大切です。
自社の強みを洗い出す
自社の強みを把握していない工務店は意外に多いもの。差別化戦略を行う際には、自社にどのような得意分野があり、どんなサービスを提供できるのか把握することも重要。 自社が提供するサービスや得意分野は、そのまま自社にとっての強みとなります。
強みを発見する方法としては、「社員同士で出し合う」「お客様にインタビューする」「口コミなどを分析する」などがあります。今までの実績データを用いて、事実ベースで自社の強みを洗い出すのもおすすめ。
思い込みや希望的観測ではなく、客観的かつ冷静に自社サービスのメリットや魅力を検証してみましょう。
強みが生きるターゲットを設定する
自社の強みが分かったら、それを十分に発揮できる相手がどういう人物なのか、ターゲットの設定を行います。 性別や年齢だけでなく、ライフスタイルや趣味嗜好まで具体的にターゲット像を設定しましょう。
一口に「家を建てたい人」といっても、実際にどのような家を希望しているのかは人によって異なります。地域環境や家族構成、職業などによっても、ニーズは大きく違うでしょう。ターゲット像を明確にすることで、ターゲットに寄り添った形でプランを立案することができるのです。
強みを家づくりに反映
自社の強みが見えたら、それを反映させた家づくりのプランを開発しましょう。そうすることで、より他社との差別化が行える上、商品自体の提供価値も高まるからです。 商品をリリースした後も、分析を行いながら顧客の反応を見ていくことが重要。思ったような反応が得られない場合は、プランを適宜調整していかなくてはなりません。
また、企業が安定して成長していくためには、一つの商品をリリースして終わりではなく、同じカテゴリーでいくつかの商品を作り、「カテゴリーブランド」を形成していくことも大切です。カテゴリーブランド化が成功すれば、その業界における代表的なブランドとしてポジションを確立することが可能です。
差別化戦略のカギは“商品力”
差別化戦略の成功を左右するのは、魅力的な商品です。どんなに他社との違いを分析したところで、それを体現する商品がなくては、受注に繋がることはありません。 性能や快適性が高い商品、デザイン性に優れた商品など、自社の強みを反映した魅力的な住宅プラン・サービスを用意しましょう。
「在宅勤務を行いやすい住環境」「免震・制震技術、高気密・高断熱を取り入れた高性能な住宅」など、最近注目されている要素を採り入れた商品づくりもおすすめです。独自性のある強みを打ち出して、「ここでしか買えない」とアピールすれば、自然と顧客の注目が集まるでしょう。
住宅フランチャイズで豊富な家づくりプランを獲得
とはいえ、競合他社の分析や顧客ニーズの把握、商品づくりには膨大な時間とコストがかかります。「日々の仕事に追われてそこまで手が回らない」「商品を開発する費用が足りない」という工務店も少なくないでしょう。そうした工務店におすすめなのが、住宅フランチャイズです。
住宅フランチャイズへ加入すれば、「二世帯住宅」「高性能住宅」「自然素材の家」「子供と暮らす家」など、 フランチャイズ本部がマーケティングをもとに開発した、豊富な家づくりプランを手にすることが可能。その上、成果につながる営業ノウハウや魅力的な販促ツールなどを一式で提供してもらえるため、日々の業務を行いながら効率的に差別化戦略を行うことができるのです。営業スタッフの育成も、研修などを通してサポートしてもらえるので、効率的に顧客を獲得し、安定した企業経営を行うことが可能です。
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