住宅フランチャイズのロイヤリティの相場とは
住宅フランチャイズに加盟すると、毎月ロイヤリティを支払うのが一般的です。ロイヤリティを支払うことで、加盟店は本部のブランドやノウハウなどを利用して売上を伸ばしやすくなります。ここでは、住宅フランチャイズのロイヤリティの種類とその注意点について、わかりやすく解説します。
ロイヤリティの種類
ロイヤリティは、金額の算出方法によって大きく3つに分けられます。それぞれの方式の特徴を詳しく解説します。
定額方式
契約時に決められた金額を毎月支払う方式です。売上や利益にかかわらず、毎月一定の額を支払います。
例えば毎月のロイヤリティが20万円の場合、売上が100万円でも500万円でも月に支払う額は20万円です。売り上げが上がるほど手元に残るお金が増えるため、業務改善やコスト削減などの企業努力が直に反映されますし、将来的な見通しも立てやすいでしょう。
一方で、売上が下がってもロイヤリティは変わらないため、支払いが苦しくなる可能性があります。設定金額は本部によって違いますが、従業員1名を雇った場合の給与1ヶ月分程度というところが多いようです。
売上歩合方式(売上比例方式)
ロイヤリティの算出方式で特に一般的なのが、売上歩合方式です。加盟店売上の数パーセントを、ロイヤリティとして支払います。例えば、ロイヤリティが20%の場合、売上が100万円の月は、支払う金額は20万円です。売上が500万円の場合は、金額が100万円にまで増加します。
売上によってロイヤリティが決まるため、売上が厳しい月はロイヤリティが減る点はメリットです。一方で、売上が上がるほどロイヤリティが高くなってしまう点や、仕入れ額が高くなって利益が減っても、支払うロイヤリティが変わらない点はデメリットといえるでしょう。
ただし、中には、売上高が大きくなるにつて、ロイヤリティのパーセンテージが低くなる形式の本部もあります。
粗利分配方式
粗利分配方式は、コンビニエンスストアなどで多く採用されている方式で、加盟店の粗利益から割合でロイヤリティの金額を決定します。売上歩合方式に似ていますが、売上ではなく、粗利から計算するのが粗利分配方式です。
例えばロイヤリティが20%、加盟店の粗利益が100万円の場合、ロイヤリティは20万円です。割合が同じであれば、粗利分配方式のほうが売上歩合方式よりも金額自体は少なくなります。
ただし、一般的に粗利分配方式の方が売上歩合方式よりもパーセンテージが高め。相場は本部によって違いますが、約30~70%というところが多いようです。
ロイヤリティの相場
住宅フランチャイズのロイヤリティの相場は、月20万円~30万円といった場合が多いようです。中には、「ロイヤリティ0円」を謳う住宅フランチャイズもありますが、その場合でも、商品の仕入れ価格を高額にしていたり、「広告宣伝費」「会費」「顧問料」「相談料」「マーケティング費用」「システム利用料」など、別の名目で費用が徴収されることがほとんどです。
目先の金額だけで選んでしまうと、結局支払いが高額になってしまうこともあるので、費用のすべての項目をチェックして、トータルで判断するようにしましょう。
ロイヤリティは安い方がいいわけではない
注意したいのは、ロイヤリティが安いから良い、高いから悪い、というわけではない点です。ロイヤリティは本部のブランド利用やサポートへの対価です。このため、ロイヤリティがあまりに安い場合、本部のサポート体制があまり整っていない場合があります。
その反対で、ロイヤリティが高くても、ブランドに強烈な集客力があり、サポート体制がしっかり整っているなら、高いロイヤリティを支払うだけの価値があるかもしれません。
フランチャイズを選ぶ際は、ロイヤリティの金額だけで判断せず、サポートの質やブランドの影響力、実績などをよく確認した上で選ぶことが大切です。
ロイヤリティにおける注意点
金額に見合ったサポートの手厚さがあるか
どんなにロイヤリティが安くても、本部のサポート環境が整っていないなら、安易に契約するのはおすすめできません。
フランチャイズ加盟を検討する工務店の多くは、経営経験がないか、何らかの経営課題を抱えているのではないでしょうか。サポート環境が整っていなければ、課題を解決できないままに結局月々の支払いに追われることになってしまいます。
反対にロイヤリティが高くても、その分に見合ったサポートを得られるのであれば、事業経営のノウハウや知識を身につけて長く安定した経営を行えるかもしれません。「ロイヤリティが安いから」という理由だけで安易に契約せずに、本部のサポート内容もしっかりと確認してみましょう。
自社の求めるサポート内容か
本部からのサポートには、大きく分けて2つのタイプがあります。1つが、物理的な支援。主に、商品や資材の仕入れや、販促品の提供などをサポートしてくれるものです。
2つ目は、情報に関する支援。マニュアルやノウハウの提供、研修の実施などが該当します。
サポート内容はフランチャイズ本部によって大きく異なるため、どんなサポートを提供しているのか、そして自社がどんなサポートを必要としているのかをよく考えましょう。
その上で、ロイヤリティの金額とサポート内容が見合っているか、相場から大きく外れていないかを確認するのがおすすめです。
まとめ
毎月支払うロイヤリティは、工務店経営に大きな影響を与えます。「月々のコストは安い方が良い」と考えがちですが、他の名目で費用を徴収されたり、サポート体制が整っていない場合もあります。重要なのはほしいサポートに対して、納得できる金額かどうかという点。加盟を検討するにあたっては、どんな課題を抱えているかを整理したうえで、提供されるサポート内容と照らし合わせながら見ていきましょう。
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