住宅フランチャイズの市場とこれから
さまざまなメリットが得られる住宅フランチャイズは、いつごろから広まったのでしょうか。ここでは、住宅フランチャイズ市場の歴史と今後について解説します。フランチャイズ加盟を検討している工務店の方は、ぜひチェックしてみてください。
住宅フランチャイズ市場の現状
フランチャイズそのものの歴史は古いですが、住宅業界では、1984年に大手住宅資材メーカーの住宅供給企業として設立されたのがはじまり。2000年ごろに最盛期を迎えました。住宅業界は現在、コロナショックとウッドショックで大きな影響を受けていますが、その中にあって、中小ビルダー・工務店を支援・サポートするフランチャイズの存在価値が高まっています。
新設住宅の着工数から見る住宅系FCのメーカー数・売上の推移
政府の統計によると、2000年代の新築住宅着工数は、2006年の約129万戸を境に減少傾向にあり、2009年には約79万戸まで減少。その後、少し回復して、2021年は86万戸ほどとなっています。
一方で、住宅FCの市場規模は、右肩上がりに成長しています。店舗数は8,209から7,911に減少しているものの、メーカー数は54から58に増加、売上高も約5,190億円から約5,557億円と右肩上がりに増えています。
目まぐるしく変化する時代の中で、特に、ノウハウや販路を持たない中小工務店の生き残り手段として選ばれているようです。
※参照元:e-Stat「建築着工統計調査 住宅着工統計 時系列表 」
これからの住宅フランチャイズに求められるもの
時代のニーズに合った商品と新しい集客方法
住宅のトレンドは、世界情勢や文化の変化に影響を受ける傾向にあります。2020年以降は新型コロナウイルスの感染拡大によってテレワークをする人が増えたため、ワークスペースの確保やリラックスできる空間デザインの需要が高まっています。また、電気代の高騰により、太陽光発電への関心や、高気密高断熱住宅への関心も寄せられています。
住宅フランチャイズでは、こうしたニーズの変化に合わせた魅力的な商品開発が求められており、そういったニーズの変化や多様化に対応できるのも住宅フランチャイズの魅力。
本部はその資金力を基に、商品開発を日々行っているため、こういった変化にも対応することができるのです。また、オンライン相談やVRモデルハウスなど、時代の変化に合わせたツールの提供なども行っています。
少子高齢化に合わせた業務の効率化
人材不足が深刻化している建設業界では、優秀な人材を確保し、定着させるために、業務の効率化が注目されています。「ムリ」「ムダ」「ムラ」を排除して、より効率的に業務が進めば、コスト削減はもちろん、利益や業績の向上につながります。また、余計な業務や残業がなくなることで、ワーク・ライフ・バランスも実現することができるでしょう。
住宅フランチャイズは、本部が蓄積したノウハウをもとに、集客から住宅の建築、販売までをトータルにサポート。業務管理ツールなども提供し、「人手不足で宣伝まで手が回らない」「日々の業務で手一杯で商品開発できない」といった中小工務店も効率的に収益を上げられるよう支援してくれます。
今後の住宅フランチャイズ市場
少子高齢化や人口減少に伴い、新設住宅着工戸数は、2021年度の87万戸から、2030年度には70万戸、2030年度には49万戸へと減少していくと予想されています。市場が縮小していく中で、戦略を打てずに集客ができない中小工務店は自然と淘汰されていくでしょう。
安定した経営を続けるためには、強みを持った商品や他社との差別化、効果的な広告宣伝などが不可欠です。そのための選択肢の一つとして、住宅フランチャイズ市場が注目されているのです。
最近では、自社業態のフランチャイズ化を図る工務店やハウスメーカーも増えています。また、新工法や新建材、IT技術を使った業務効率化システムなどを提供する新勢力も市場に続々と参入しています。住宅フランチャイズ市場は今後も拡大が予想されています。
※参照元:NRI「2040年度の新設住宅着工戸数は49万戸に減少、2040年の既存住宅流通量は20万戸に増加する見通し」
まとめ
ここでは、住宅フランチャイズ市場に着目し、現状とこれからの動向について解説しました。厳しさを増す建設業界で、住宅フランチャイズの需要は高まっており、市場は今後も拡大していくとみられています。
経営課題でお悩みの中小工務店の方は、ぜひフランチャイズへの加盟を検討してみてはいかがでしょうか。こちらのページでは、工務店が抱える課題別に解決方法をご紹介していますので、ご参考にしてください。